琥珀の秋、0秒の旅は、八目迷さんの著書で、くっかさんがイラストを担当しています。物語は内気な高校生の麦野カヤトが函館を訪れているときに、世界の時間が止まるという現象に見舞われるところから始まります。ただ動けるのは彼と地元の不良少女の井熊あきらだけです。二人は時を動かす手がかりを求めて、麦野の死んだ叔父の家がある東京を目指すことになります。
物語は、麦野が高校の修学旅行で函館を訪れているときに起こります。内気で友達のいない彼にとっては、クラスメイトたちとの旅行は苦痛でした。しかし、世界の時が止まった瞬間、通行人や車、鳥など、すべてのものが静止しました。喧騒が消え、静寂が支配する街の中で、動けるのは麦野だけでした。しかし、彼にはもう一人、地元の不良少女の井熊あきらがいました。彼女は口調も性格もキツいですが、この状況では二人以外に動ける人間はいません。そこで二人は行動を共にすることになります。
麦野は数日前に亡くなった叔父が「琥珀の世界」と呟いていたことを思い出します。叔父の言葉は、世界の時間が止まったことと関係しているのかもしれません。そこで二人は叔父の家がある東京を目指して、時を動かす手がかりを探すことにします。時が止まった世界の中で、二人だけの旅が始まります。
この作品は、八目迷さんとくっかさんのコンビによる<時と四季シリーズ>の第三弾です。前作『夏へのトンネル、さよならの出口』や『きのうの春で、君を待つ』も人気で、今作も注目されています。